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2009年8月 6日 (木)

【インタビュー】ラウォノが巨大になるところなど、怖がってくれると嬉しい:絵本「山からきたふたご スマントリとスコスロノ」(福音館書店) 版画:早川純子さん 1/2

09年6月に福音館書店から発売されたワヤンを題材を採った絵本「山からきたふたご スマントリとスコスロノ」の版画を担当された版画家の早川純子さんに制作のご苦労などについて伺いました。

★☆★☆★

Suma_003_2 ・ワヤンの第一印象について
ワヤンはこの絵本の制作でお知りになったとのことですが、初めてワヤンをご覧になったときの感想はどのようなものだったでしょうか。

早川 この仕事をするまでインドネシアというとケチャや踊りやガムランもバリ島のイメージで、ワヤンはテレビや写真で見たことあるけれど…という程度でした。また、「スマントリとスコスロノ」はジャワ島のワヤンでは「ラーマーヤナ」のお話の一つなのですが、この仕事も最初「ラーマーヤナ」のお話と聞いて、ラーマ王子とシータ姫のお話を想像したくらいです。
2004年でしょうか? 「しんじなくてもいいけれど」という絵本の挿絵を描かせていただいた作家の内田麟太郎さんのホームページで、「ゼンザ,大物を釣り上げる」というワヤンが専修大学で上演されるのを知って見に行ったのが、意識して見た最初だと思います。
このときのワヤンは創作のお話だったので、本場のワヤンはどんな感じなのかなあ…と気になって一年近くたったころにこの絵本の話をいただいて、とても不思議なものを感じました。
その後、編集者と一緒に日本ワヤン協会の公演を見たのですがグヌンガンの動きがとても印象的でした。グヌンガンがお話の最初と最後にクリルの真ん中にたてられること、ダランの言葉や動きによって、木や山や雲など様々な形に変化するのがとても強烈な印象でした。

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グヌンガン

・版画でのワヤン制作について
ワヤンのキャラクターは細かい模様が多く版画では大変そうですが、なぜ版画という技法をこのお話に選ばれたのでしょうか。
技法的にワヤンを題材にして難しかった点および効果的だった点などありますでしょうか。

早川 今回主に人物の表現に木口木版(こぐちもくはん)を使用しています。これは仕事を依頼されたときからの編集者の希望でした。
しかし木口木版は版木の値段が高い上に、木の年輪部分を使うため実際の絵本と同じ大きさでは作れません。最初に試作も彫ったのですが自分の中で割り切るまで時間がかかりました。どう自分の中でワヤンを消化して表現するかという問題もあったのですが、作画に取りかかる前までスクラッチボードで引っ掻いたような表現や、板目の木版のざっくりした表現など他の方法でできないかといろいろ考えました。最終的に制作に入る前に、デザイナーさんとお話をして木口の小さい表現でも拡大して印刷しても大丈夫なことがわかり、観念して人物の表現を木口木版で彫ることにしました。
木口木版の版木を節約するため、一枚の版木に複数の人物を組み合わせて無駄がないように彫っています。
版画という技法は彫り直しができないのですが、また彫り直しができないからこそ思い切って表現できたと思っています。また、刷りの調子や色を変えることで印象を変えることができますし。
実際のワヤン人形の彩色された煌びやかさ、影の美しさ、巨大な影になる所をどう自分なりに表現できるかと考えながら、楽しさもあり、しんどさもある制作でした。

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木口木版

・制作期間について
この本の版画制作はいつごろスタートしたのでしょうか。また、絵本の制作全体はどのくらいかかけて制作されたのでしょうか。

早川 お話をいただいたのが、確か2005年の年末頃だったと思います。翌2006年の7月に日本ワヤン協会の公演旅行に、編集者とご一緒させていただきました。
その後、乾さんの再話を元に何度かラフを書きました。(ラフとは、どこに絵と文章を入れるかなどを描いた、大まかな絵本の設計図みたいな物です)。その前に抱えていた他の絵本の仕事を完成させる必要があったので、制作に取りかかれるまでにジャワの感じに慣れようと、機会があればワヤンの公演を見に行ったり、ジャワのガムラン、ジャワで売っているワヤンのテープを協会の方にお借りして聞きまくっていました。
完成した絵本に近いラフを描けたのが、昨年(2008年)の夏頃です。
木口木版の制作は昨年の秋から今年(2009年)の3月の初め頃まで、3月から4月中頃は大きな画面や、背景を作ったりして組み合わせ作業。4、5月と印刷の試し刷りなどがあって6月の中頃に絵本が出来ました。

(編注 早川さんのホームページで、取材時のインドネシア旅行記が紹介されています。
インドネシア旅行記 http://sikatuno.blog.so-net.ne.jp/2006-07-21

※画像は、早川さんのブログより転載させていただきました。

(第2回につづく)

福音館書店「山からきたふたご スマントリとスコスロノ」
http://www.fukuinkan.co.jp/detail_page/978-4-8340-2452-4.html

版画家・早川純子ホームページ
http://www.umiusi.net/antler/

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